1️⃣ はじめに(Introduction)
PMBOK(Project Management Body of Knowledge)は、プロジェクトマネジメントのベストプラクティスを体系化したガイドです。PMI(Project Management Institute)が策定し、世界中のプロジェクトマネージャーに広く採用されています。
2️⃣ PMBOKの基本概念(Basic Concepts of PMBOK)
📌 プロジェクトとは?(What is a Project?)
プロジェクトとは、独自の成果物を創出するために期間を定めて実施される業務のことです。通常、以下の特徴を持ちます。
- 一時的である(Temporary)
- 独自の成果物がある(Unique Deliverable)
- 進化的に詳細化する(Progressive Elaboration)
📌 プロジェクトマネジメントとは?(What is Project Management?)
プロジェクトマネジメントは、プロジェクトの目標を達成するために知識・スキル・ツール・技法を適用するプロセスです。主な目的は、以下の3つの制約をバランス良く管理することです。
- ⏳ スケジュール(Schedule)
- 💰 コスト(Cost)
- 🎯 品質(Quality)
3️⃣ PMBOKの10の知識エリア(10 Knowledge Areas of PMBOK)
PMBOKでは、プロジェクトマネジメントを10の知識エリアに分類しています。
知識エリア |
説明 |
📖 統合管理(Integration Management) |
プロジェクト全体の調整と統合 |
📋 スコープ管理(Scope Management) |
プロジェクトの範囲を定義し管理 |
⏳ スケジュール管理(Schedule Management) |
タイムラインを計画・管理 |
💰 コスト管理(Cost Management) |
予算を計画し、コストを制御 |
🎯 品質管理(Quality Management) |
プロジェクト成果物の品質を保証 |
👥 リソース管理(Resource Management) |
人的・物的リソースの管理 |
🔄 コミュニケーション管理(Communication Management) |
ステークホルダーとの情報伝達を管理 |
🎭 リスク管理(Risk Management) |
リスクを特定・分析し対応策を策定 |
🤝 調達管理(Procurement Management) |
外部ベンダーとの契約や調達の管理 |
🎤 ステークホルダー管理(Stakeholder Management) |
関係者の期待を管理し、プロジェクト成功に導く |
4️⃣ プロジェクトマネジメントの5つのプロセス群(5 Process Groups)
PMBOKでは、プロジェクトを5つのプロセス群に分類しています。
1️⃣ 開始プロセス群(Initiating Process Group)
- プロジェクトの目的と目標を明確化
- プロジェクト憲章(Project Charter)の作成
- ステークホルダーの特定
2️⃣ 計画プロセス群(Planning Process Group)
- プロジェクト計画の策定
- スコープ、スケジュール、コスト、リスク管理計画の作成
3️⃣ 実行プロセス群(Executing Process Group)
- 計画に基づいた作業を実施
- チームの管理、コミュニケーションの促進
4️⃣ 監視・コントロールプロセス群(Monitoring & Controlling Process Group)
- プロジェクトの進捗とパフォーマンスを測定
- 必要に応じて計画の修正を行う
5️⃣ 終結プロセス群(Closing Process Group)
- プロジェクトやフェーズの完了
- 成果物の引き渡し、レポート作成
- 振り返り(Lessons Learned)
5️⃣ PMBOKの活用方法(How to Use PMBOK)
PMBOKは、以下の場面で活用できます。
✅ プロジェクトの計画・実行・監視を体系的に管理するため
✅ PMIのPMP(Project Management Professional)試験の準備に
✅ 企業のプロジェクトマネジメントプロセスの標準化に
6️⃣ まとめ(Conclusion)
PMBOKは、プロジェクトマネジメントを体系的に理解し、実践するための重要なフレームワークです。プロジェクトの成功確率を高めるために、適切に活用しましょう!
📝 参考資料
📌 プロジェクトとは?(What is a Project?)
プロジェクトとは、独自の成果物を創出するために期間を定めて実施される業務のことです。通常、以下の特徴を持ちます。
- 一時的である(Temporary)
- 独自の成果物がある(Unique Deliverable)
- 進化的に詳細化する(Progressive Elaboration)
📌 プロジェクトマネジメントとは?(What is Project Management?)
プロジェクトマネジメントは、プロジェクトの目標を達成するために知識・スキル・ツール・技法を適用するプロセスです。主な目的は、以下の3つの制約をバランス良く管理することです。
- ⏳ スケジュール(Schedule)
- 💰 コスト(Cost)
- 🎯 品質(Quality)
プロジェクトマネジメントとは?必要性や注意点、具体的な手法などについて紹介
企業において、新規商品やシステムの開発等では社内でプロジェクトを立ち上げて行うことが一般的です。プロジェクトの成功に向けて「プロジェクトマネジメント」は非常に大切になってきます。ここでは「プロジェクトマネジメント」の必要性や注意点、具体的な手法などについて紹介します。
プロジェクトマネジメントとは?
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトをどのように進めれば成功するのか、詳しく計画を立て、管理していくことを意味します。
具体的には「いつまでに、どの段階まで、実施するか」を明確にして、そこから逆算してプロジェクト成功までのプロセスを構築していきます。
なお、プロセスを構築・管理するために、プロジェクトマネジメントにおける知識を体系的にまとめた「PMBOK」(Project Management Body Of Knowledge)があります。アメリカに本部を置くPMI(Project Management Institute)という非営利団体が作成したもので、一般的にプロジェクトマネジメントを行う上で参考にされています。
プロジェクトマネジメントの必要性
プロジェクトを遂行する際には社員が複数のチームに分かれ、各チームの目的を達成するために、割り当てられた業務・タスクに取り組みます。それぞれのタスクにおいて一つでも進捗が遅れるとそのタスクだけでなく他のタスク、引いてはプロジェクト全体/響するため、進捗管理は非常に重要となります。
また、進捗管理だけでなくプロジェクトの目的や実行計画(品質、予算、納期など)が杜撰だと、プロジェクトの失敗につながりかねません。プロジェクトの成功のためにもプロジェクトマネジメントは必要不可欠であるといえます。
プロジェクトマネジメントを行う上での注意点
プロジェクトマネジメントを行う際には様々な注意点があります。ここではプロジェクトマネジメントを行う上での注意点について見ていきます。
プロジェクトの目的やゴールを明確化・共有する
まずはプロジェクトの目的やゴールを明確にし、プロジェクトを開始する前に必ずメンバーに共有しましょう。目的やゴールの共有ができていないと、各メンバー自身が考えるゴールに向かって業務を遂行してしまい、プロジェクトの失敗に繋がる可能性があります。
目的達成に必要な計画やタスクを検討する
目的を明確化・共有した後は、目的達成に必要な計画やタスクを検討しましょう。計画・タスクを策定することで、必要なリソースが具体的になってきます。また、計画策定時には、適宜マイルストンを設けることで、全体スケジュールに対して大幅な遅延がないか確認でき、プロジェクト計画の見直しが必要か判断しやすくなるでしょう。
密にコミュニケーション・情報共有を行う
プロジェクトを円滑に進めるには、プロジェクトマネージャーとメンバーとのコミュニケーション、およびメンバー間のコミュニケーションが重要です。プロジェクトに関わる人とのコミュニケーションを大切にし、進捗状況やトラブルなどの情報を早期に把握・共有できるようにしておきましょう。
メンバー一人ひとりの役割分担を明確にする
プロジェクトの進捗管理を行う上で、メンバー一人ひとりの役割分担を明確にすることが重要です。役割分担が曖昧だと、進捗遅延した際の責任が曖昧になる、マネージャーへの報告・連絡・相談が遅延する、メンバーの稼働状況が把握できず必要な対策がうてないなど、上手くマネジメントができなくなります。
また、役割分担を明確にすることで、メンバーにとってもメリットがあります。メンバーが責任感を持ち、タスク完了時には達成感も得られるため、モチベーションアップにもつながるでしょう。
プロジェクトリスクを把握・評価し、適切な対策を実行する
プロジェクトの進捗は外部の要因にも左右される可能性があり、プロジェクトがすべて計画通りに進むとは限りません。そのため、プロジェクト実行中の「リスク管理(プロジェクトリスクの把握・評価・対策)」が非常に重要となります。発生する可能性の高いリスクをあらかじめ想定しておくことで、リスクの兆候を早く把握することができ、リスク発生時に適切な対策を実行することができます。
プロジェクトマネジメントで求められるスキル
プロジェクトマネジメントでは、プロジェクト全体の管理や予算の決定、メンバーのサポートなど幅広い対応を行うため様々なスキルが求められます。具体的には次のようなスキルが必要だと考えられます。
コミュニケーション能力
メンバーが同じゴールに向かって業務を遂行できるようにするために、コミュニケーション能力は欠かせないスキルといえます。また、自分から伝えるだけでなく、メンバー内で意見を出しやすくする環境づくりも重要です。他にも、メンバーを育成するために「褒めること」や「叱ること」も重要であり、多角的な視点でコミュニケーション能力を高める必要があります。
分析力
プロジェクトマネジメントでは、問題発生時に状況や原因を的確に分析し、有効な打開策を考える能力が求められます。また、問題発生時に限らず、プロジェクトがより効率的に進むよう、プロジェクトの状況に応じた分析・対策が求められます。
QCDの管理能力
通常、プロジェクトにはQuality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の条件があらかじめ決まっています。プロジェクトマネジメントでは、その条件下で最大限の成果を出すことが求められるため、プロジェクト進捗中も適宜QCDのバランスを把握・管理し、適切な対策を実行するスキルが必要となります。
プロジェクトとは、独自の成果物を創出するために期間を定めて実施される業務のことです。通常、以下の特徴を持ちます。
- 一時的である(Temporary)
- 独自の成果物がある(Unique Deliverable)プロジェクトマネジメントとは?必要性や注意点、具体的な手法などについて紹介
- 進化的に詳細化する(Progressive Elaboration)
|立ち上げ|プロジェクトの認可を得るために、目的・目標や予算、成果などを定義する|
|---|---|
|計画|目的・目標を達成するための計画を立て、細かな作業タスクに分類する|
|実行|計画に基づき、必要なリソース(人員や資源など)を確保し、各タスクを実際に進める|
|監視・コントロール|計画と進捗にズレがないか監視し、ズレが生じたときは計画を修正する|
|終結|すべてのプロセスが完了したことを検証し、プロジェクトを正式に完結させる|
PMBOK®って何?
さて、ここまではPM(プロジェクトマネジメント)について説明してきましたが、ここでは今までの説明の中で度々出てきた言葉の「PMBOK®」についてお伝えします。
PMBOK®(Project Management Body of Knowledge)とは、米国PMI(Project Management Institute:プロジェクトマネジメント協会)がまとめたプロジェクトマネジメントの知識体系(Body of Knowledge)のことです。様々な産業のプロジェクトからプロジェクトマネジメントに関する優れたノウハウを収集し、体系化したものです。「PMBOK®ガイド」として、2021年現在では、第7版まで刊行されています。
PMはすべての活動に使える!
プロジェクトマネジメントやPMBOK®は、システム開発や建設といったプロジェクトだけではなく、実際には、すべての活動に対して活用することができます。なぜなら、プロジェクトマネジメントは、ビジネスの目標に対して、関係者間で適切にコミュニケーションを取り、一丸となって取り組むためのマネジメント活動だからです。
プロジェクトマネジメントの根本的な目的は、価値提供です。ビジネスであれば、ベネフィット(利益)や効果をもたらすことが目的となるでしょう。環境問題のプロジェクトならば、その環境問題の原因を取り除いたり、環境悪化の抑制だったりが目的となるかもしれません。どんなプロジェクトにせよ、すべての関係者の満足度を高めることが重要です。
さらにもっと身近な話で、運動不足の解消を考えてみましょう。例えば、どのような運動をどれだけの期間行うのかを明確化して、スケジュール管理することができます。品質管理という視点では、運動した時間を記録し、目標に達したかどうか評価する、といったこともできます。他にも、リスク管理として、運動を妨げる要因を洗い出して、事前に対策することもできるでしょう。
このように、プロジェクトマネジメントの手法は、あらゆる活動に活用することができ、目的達成のための一助となることでしょう。

プロジェクトマネジメントとは成功の手助けをすること
プロジェクトの成否はマネジメントがうまく機能するかどうかに多くがかかっています。そのための優れた考え方や手法をまとめたノウハウ集が「PMBOK®」(Project Management Body of Knowledge)。プロダクト開発もまたプロジェクトの1つであるため、PMBOK®は間違いなく役立ちます。今回はPMBOK®をケーススタディで解説した書籍『PMBOKはじめの一歩』(翔泳社)から、そもそもプロジェクトマネジメントがどういうもので、どんな価値があるのかを紹介します。
独自性があるということ
PMBOK®の記述の中に、「独自」という言葉もよく使われています。この独自という言葉を理解する際は、「定常業務」と一緒に考えると理解しやすくなります。
定常業務とは、毎回、同じ作業を繰り返し行い、同じ結果を生み出すものです。それに対して、プロジェクトは、いつもとは異なること、または全く新しいことをやる中で、「独自性」を持って成果を生み出すことです。
毎回同じプロダクト、サービス、所産を生み出すのではなく、プロジェクトの特性(例:場所、環境、状況、関係者)において独自性があります。
例えば、工場で決められた仕様と手順で作り出される「犬小屋」を想像してみてください。どのお店に行っても、同じものを購入することができます。このような「同じもの」を作るのは、定常業務です。
一方、DIYの場合を考えてみましょう。自分で作る犬小屋は、完成イメージ次第で、出来上がるものは変わってきます。例えば、犬小屋を金属で作るのか、木材で作るのかで全く別物になります。質感や色も異なります。また、作る人が変わると、作り方も異なり、違う犬小屋が出来上がったりします。これは、プロジェクトになります。
では、プロジェクトと定常業務には何の関係性もないのかというと、そうではありません。工場で決まった犬小屋を作るのは定常業務ですが、お客様の新たなニーズに応えるため、今までにないデザインの犬小屋を作ることはプロジェクトになります。
皆さんも定常業務の中で起こった課題を解決するために、何か新しい取り組みを考えて、実行するといったことはあるでしょう。これがプロジェクトです。
つまり、定常業務のニーズはプロジェクトになります。この課題解決を目的に定常業務から切り離された新たな業務として、プロジェクトが発足します。そして、プロジェクトが立ち上がった後も、人や資源の多くは定常業務から供給されます。このように「プロジェクト」と「定常作業」というのは、常に関係性を保ちながら進んでいるのです。
有期性があるということ
PMBOK®のプロジェクトの説明でもう1つ、「有期性」という言葉があります。この有期性というのはどういったものでしょうか。
例えば、新しいデザインの犬小屋を売り出すプロジェクトだと、発売日までに、商品企画や試作、生産などが終わっていなければなりません。そこには、絶対厳守の期限という「終わり」と同時に、プロジェクトを開始するという「始まり」があります。
いつに間にか商品企画をやっていたとか、気が付いたら試作品を作り始めていたとか、ということはありません。この「始まり」と「終わり」があるということが、「有期性のある」ということです。
ここで注意したい点は、全てのプロジェクトが成功して終わるわけではないということです。以下は、プロジェクトの終了の一例です。
- プロジェクトの目標が達成された
- プロジェクトを進めるための資金援助が無くなった
- 他の新しいプロジェクトのほうが効果があると判明した
海外映画などでも、研究者が国から資金援助を断られてプロジェクトが終了し、悪の道に進むシーンもあったりします。いずれにせよ、プロジェクトというのは、その期間の長い、短いにかかわらず、始まりと終わりが必ずあるということを覚えておいてください。

マネジメントとは
ここまでで、プロジェクトとは何をすることなのかが理解できてきたと思います。では次に、「マネジメント」という言葉を見ていきたいと思います。
「マネジメント」という言葉や、それに近い言葉でマネジャーという言葉はよく耳にすると思います。例えば、テレビ番組に芸能人のマネジャーが登場したり、プロスポーツ選手の海外挑戦を代理人がマネジメントしているというニュースが流れたりしています。
マネジメント(Management)の和訳としては、「経営」や「管理」という言葉がよく出てきます。この2つの言葉だけを聞いてしまうと、何か堅苦しいことを想像してしまうかもしれません。また、ものすごく自分よりも上のレベルのことを望まれているように感じるかもしれません。
ですが、プロジェクトマネジメントとしてのマネジメントは、もう少し現場寄りの意味合いが強く、身近なものだと感じています。よく言われるたとえですが、プロジェクトマネジメントの役割は「カーナビ」のようなものです。
まず、ドライブの目的によって、どこへ行くのか目的地(ゴール)を設定します。次に、目的地にたどり着く(最終成果物を生み出す)ためのルートを検索して(プロセスを設計)、選びます。
このとき、有料道路を使うのか(コスト)、何時に到着するのか(スケジュール)などを踏まえるでしょう。そして、カーナビは適切に案内してくれます。その途中、渋滞(リスク)に巻き込まれないように回避ルートを教えてくれたりします。このように、何とかして、できるだけスムーズに目的地に着こうとするのがプロジェクトマネジメントです。
PMは成功と幸せの手助けをする
「プロジェクトを成功させることは難しい、大変だ!」という声をよく耳にします。プロジェクトというのは「やったことのないこと」を「決められた期日までに」やり遂げることであり、この「独自性」と「有期性」という2つの特性が多くのプロジェクトマネジャーを苦しめています。
しかし、プロジェクトマネジメントを正しく活用すると、計画に沿って効率よくプロジェクトを進めることができます。また、予期せぬ変更にも柔軟に対応していくことができます。プロジェクトは成功に向かい、関係者に新たな価値や幸せをもたらします。
そこで本書では、プロジェクトマネジメントのプロセスとはどのようなものなのかといった「技術」と、それらをどのようなスキルや原則のもとになりたっているのかといった「技能」の両面を、お伝えしていきます。
読者の皆さんが、プロジェクトの成功確率を上げるだけでなく、プロジェクトマネジャーとして意義を感じ、幸福感を持ちながら遂行していただけることを期待して、丁寧に解説していきます。
PMBOK®って何?
さて、ここまではPM(プロジェクトマネジメント)について説明してきましたが、ここでは今までの説明の中で度々出てきた言葉の「PMBOK®」についてお伝えします。
PMBOK®(Project Management Body of Knowledge)とは、米国PMI(Project Management Institute:プロジェクトマネジメント協会)がまとめたプロジェクトマネジメントの知識体系(Body of Knowledge)のことです。様々な産業のプロジェクトからプロジェクトマネジメントに関する優れたノウハウを収集し、体系化したものです。「PMBOK®ガイド」として、2021年現在では、第7版まで刊行されています。
なお、PMBOK®第6版までと、第7版とでは、内容が大きく変化しています。PMBOK®の全体的な解説は、Chapter05とChapter07でご説明しますので、ここでは、大まかな構成をご紹介します。
PMBOK®第6版までは、プロジェクトの知識体系をプロセスごとに分けて整理しています。5つの「プロセス群」に対して、プロジェクトマネジメント作業ごとに細分化した10個の「知識エリア」とのマトリックス図を整理し、それぞれのプロセスを定義しています。

そして、各プロセスについて、プロジェクトマネジャーが行うことが推奨されるベストプラクティスを一つひとつ丁寧に解説しています。つまり、過去の現場のプロジェクトマネジメントの実践に基づいた、具体的なノウハウの蓄積が、PMBOK®第6版です。
PMBOK®第7版では、知識体系を整理するための観点が大きく変わり、「プロジェクトマネジメントの原理・原則」ベースでの標準を整理しています。これは、第6版までの「プロジェクトの具体的な成果」も重要ですが、それ以上に、「プロジェクトによる結果や価値」が重要であるとの考え方からです。また、「原理・原則」ベースでプロジェクトマネジメント活動を行うにあたり、プロジェクトの成果を効率的に提供するための行動指針として、「プロジェクト・パフォーマンス領域」を定義しています。


【PMから得られるもの①】ビジネスの価値
プロジェクトマネジメント、および、PMBOK®は、単純にプロジェクトを成功させることだけを目標としたものではありません。プロジェクトを成功させ、その先にあるビジネスの価値をもたらすことを目標としています。
あなたが何か作業を行うときのことを考えてみてください。例えば、愛犬のために犬小屋を作ろうとしたとします。デザインや寸法、材料などを決め、DIY作業を行い、犬小屋を作ります。
このとき、あなたは、ただ単に犬小屋を作るだけの作業を実施するでしょうか? きっと、そうではないと思います。愛犬のために、色々なことを考えると思います。
- 愛犬が出入りしやすくするための入口のサイズの調整
- 愛犬が暖かく過ごすことのできる材料や内装の選定
- 木材のトゲにひっかけてケガしないようにするためのヤスリ掛けなどの工夫
などなど……。
これらの工夫は、「愛犬が安全に、快適に過ごせるように」という大切な目的のために行われるものです。プロジェクトマネジメントは、このようにプロジェクトをただの「作業」に留まらせず、プロジェクトの成功がもたらす「ビジネスの価値」を重視したマネジメント活動です。

【PMから得られるもの②】プロジェクトの円滑な推進(QCD)
プロジェクトマネジメントのキモの1つは、プロジェクト開始時に綿密な計画を立てることです。特に、品質(Quality)、費用(Cost)、納期/スケジュール(Delivery)の3つに関する計画をしっかりと立ててからプロジェクトに臨みます。これら3つの頭文字を取って、「QCD」と呼びます。そして、QCDを中心に計画通りに実施できているかチェックしながら、プロジェクトを進めていきます。
プロジェクトは、行き当たりばったりに行うものではありません。プロジェクトマネジメントにより、しっかりと計画を立て、それをきっちりと遂行し、プロジェクトを適切にコントロール・対応していくことです。

【PMから得られるもの③】チームとうまく進める(コミュニケーション)
基本的に、プロジェクトは一人だけで成り立つものではありません。プロジェクトの発起人や出資元であるスポンサー、顧客、プロジェクトチームメンバー、そしてプロジェクトマネジャーがいます。そういった複数の人たちが協力して、プロジェクトを進めていきます。
プロジェクトマネジメントでは、まずプロジェクトの目的、目標を明確化し、プロジェクト関係者全員の意思を統一します。また、どういった関係者がいるかリストアップし、関係者間でのコミュニケーションをいつどのように取っていくかを計画します。
そして、計画に沿うことで、プロジェクト関係者が一丸となって、個々の力を発揮しながら遂行していくことができるのです。

PMはすべての活動に使える!
プロジェクトマネジメントやPMBOK®は、システム開発や建設といったプロジェクトだけではなく、実際には、すべての活動に対して活用することができます。なぜなら、プロジェクトマネジメントは、ビジネスの目標に対して、関係者間で適切にコミュニケーションを取り、一丸となって取り組むためのマネジメント活動だからです。
プロジェクトマネジメントの根本的な目的は、価値提供です。ビジネスであれば、ベネフィット(利益)や効果をもたらすことが目的となるでしょう。環境問題のプロジェクトならば、その環境問題の原因を取り除いたり、環境悪化の抑制だったりが目的となるかもしれません。どんなプロジェクトにせよ、すべての関係者の満足度を高めることが重要です。
さらにもっと身近な話で、運動不足の解消を考えてみましょう。例えば、どのような運動をどれだけの期間行うのかを明確化して、スケジュール管理することができます。品質管理という視点では、運動した時間を記録し、目標に達したかどうか評価する、といったこともできます。他にも、リスク管理として、運動を妨げる要因を洗い出して、事前に対策することもできるでしょう。
このように、プロジェクトマネジメントの手法は、あらゆる活動に活用することができ、目的達成のための一助となることでしょう。



AmazonSEshopその他
PMBOKはじめの一歩
スッキリわかるプロジェクトマネジメントの基本
著者:飯田剛弘、奥田智洋、國枝善信
発売日:2022年2月7日(月)
定価:1,980円(本体1,800円+税10%)
本書について
「テーマパーク企画にPMを導入したらどうなる?」「夏まつりにPMを導入したらどうなる?」など、 ユニークなケーススタディを交えつつ、PMの概要や導入のメリットについて丁寧に説明しています。
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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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独自性があるということ
PMBOK®の記述の中に、「独自」という言葉もよく使われています。この独自という言葉を理解する際は、「定常業務」と一緒に考えると理解しやすくなります。
定常業務とは、毎回、同じ作業を繰り返し行い、同じ結果を生み出すものです。それに対して、プロジェクトは、いつもとは異なること、または全く新しいことをやる中で、「独自性」を持って成果を生み出すことです。
毎回同じプロダクト、サービス、所産を生み出すのではなく、プロジェクトの特性(例:場所、環境、状況、関係者)において独自性があります。
例えば、工場で決められた仕様と手順で作り出される「犬小屋」を想像してみてください。どのお店に行っても、同じものを購入することができます。このような「同じもの」を作るのは、定常業務です。
一方、DIYの場合を考えてみましょう。自分で作る犬小屋は、完成イメージ次第で、出来上がるものは変わってきます。例えば、犬小屋を金属で作るのか、木材で作るのかで全く別物になります。質感や色も異なります。また、作る人が変わると、作り方も異なり、違う犬小屋が出来上がったりします。これは、プロジェクトになります。
では、プロジェクトと定常業務には何の関係性もないのかというと、そうではありません。工場で決まった犬小屋を作るのは定常業務ですが、お客様の新たなニーズに応えるため、今までにないデザインの犬小屋を作ることはプロジェクトになります。
皆さんも定常業務の中で起こった課題を解決するために、何か新しい取り組みを考えて、実行するといったことはあるでしょう。これがプロジェクトです。
つまり、定常業務のニーズはプロジェクトになります。この課題解決を目的に定常業務から切り離された新たな業務として、プロジェクトが発足します。そして、プロジェクトが立ち上がった後も、人や資源の多くは定常業務から供給されます。このように「プロジェクト」と「定常作業」というのは、常に関係性を保ちながら進んでいるのです。
有期性があるということ
PMBOK®のプロジェクトの説明でもう1つ、「有期性」という言葉があります。この有期性というのはどういったものでしょうか。
例えば、新しいデザインの犬小屋を売り出すプロジェクトだと、発売日までに、商品企画や試作、生産などが終わっていなければなりません。そこには、絶対厳守の期限という「終わり」と同時に、プロジェクトを開始するという「始まり」があります。
いつに間にか商品企画をやっていたとか、気が付いたら試作品を作り始めていたとか、ということはありません。この「始まり」と「終わり」があるということが、「有期性のある」ということです。
ここで注意したい点は、全てのプロジェクトが成功して終わるわけではないということです。以下は、プロジェクトの終了の一例です。
- プロジェクトの目標が達成された
- プロジェクトを進めるための資金援助が無くなった
- 他の新しいプロジェクトのほうが効果があると判明した
海外映画などでも、研究者が国から資金援助を断られてプロジェクトが終了し、悪の道に進むシーンもあったりします。いずれにせよ、プロジェクトというのは、その期間の長い、短いにかかわらず、始まりと終わりが必ずあるということを覚えておいてください。
総合マネジメント |
全体の方針、5つのプロセス群、他9つのマネジメント活動の特定や定義を行う |
スコープマネジメント |
プロジェクトのスコープ(範囲)を定め、目標達成に何が必要なのか定義する |
スケジュールマネジメント |
所定の納期までにプロジェクトを完了させるため、スケジュールを組む |
コストマネジメント |
予算内でプロジェクトを完了するため、かかるコストの見積もりや予算設定を行う |
品質マネジメント |
クライアントやステークホルダーの要求を満たすため、成果物の品質要求事項を決め、管理する |
資源マネジメント |
プロジェクトに必要な人材や物的資源を特定し、獲得する |
コミュニケーションマネジメント |
ステークホルダーから理解を得るために、プロジェクト情報の生成や収集、配布、保管、検索、最終的な廃棄を行う |
リスクマネジメント |
プロジェクトに関するリスクを特定・分析し、予防や対応策の立案・実施をする |
調達マネジメント |
プロジェクトに必要なプロダクトやサービス、所産を外部から購入・取得する |
ステークホルダーマネジメント |
ステークホルダーが必要とする情報を集め、保管・伝達する |
Title |
Status |
Task 1 |
TODO |
Task 2 |
In Progress |
Task 3 |
Done |
Task 4 |
|
リスクの影響をお金の面で数値化することは、リスク評価やリスク管理の重要なステップです。これにより、潜在的な損失を定量的に評価し、適切な対策を講じることができます。以下はそのための一般的な手順です:
- リスクの特定:
- まず、プロジェクトやビジネスに影響を与える可能性のあるリスクを特定します。
- リスクの頻度(確率)の評価:
- 各リスクが発生する可能性を評価します。これは通常、確率や頻度として表現されます。
- リスクの影響の評価:
- リスクが発生した場合の影響を評価します。ここでは、損失額や影響の大きさを数値化します。
- リスクの金銭的影響の計算:
- 金銭的影響を計算するために、以下の公式を使用します:
[
\text{リスクの金銭的影響} = \text{リスクの頻度} \times \text{リスクの影響}
]
- これにより、リスクが発生した際の期待損失額を計算できます。
- リスクの優先順位付け:
- 計算した金銭的影響に基づいて、リスクを優先順位付けし、管理するべきリスクを特定します。
- 対応策の検討:
- 高い金銭的影響を持つリスクに対して、リスク軽減策や回避策を検討します。
- 定期的な見直し:
- リスクの評価は一度だけでなく、定期的に見直し、状況の変化に応じて更新します。
これらの手順を通じて、リスクの金銭的影響を効果的に管理することが可能です。AFFiNEを使用して、これらのステップをドキュメント化し、関係者と共有することで、リスク管理プロセスを効率化できます。